薬歴

【薬歴の書き方】SOAP・表書きを使いこなす“伝わる薬歴”の技術まとめ

umaingen


薬歴って、いざ書こうと思うと…意外と手が止まりませんか?

「SOAPって何を書けばいいの?」
「この表書き、これで伝わるのかな?」

新人の頃は私も何度も悩みましたし、今では実習生や新人薬剤師から同じような質問をよく受けます。
実際、中堅薬剤師でも「書き方が定まらない」と悩む方は少なくありません。

薬歴に“正解のフォーマット”はありませんが、伝わる薬歴には「型」と「考え方」のコツがあります。
この記事では、それらを整理してまとめ、詳しい解説記事への案内をしていきます。

薬歴が書けないのは「構成」と「視点」があやふやだから

薬歴が苦手な新人さんは多いですが、それは“能力不足”ではありません。
むしろ、誰も「どう書くか」をちゃんと教えてくれなかっただけなんですよね。

薬歴に必要なのは、文章力よりも、
考えを整理する力と、それを表現するための「構成=型」です。
その代表的な型が、みなさんご存知の SOAP、そして 表書きです。

SOAPと表書きは、薬剤師の“共通言語”

以前の記事にも書きましたが、ここで簡単におさらいしておきます。

✔ SOAPとは?

  • S(Subjective): 患者さんの訴えや主観的情報
  • O(Objective): 実際に確認できた客観的情報
  • A(Assessment): 情報を統合した評価・判断
  • P(Plan): 今後の対応・フォローアップ

SOAPは、ただ情報を並べるのではなく、
薬剤師としての思考の流れを記録するツールです。
つまり、「自分がどう考えて何をしたか」が一目でわかるようになる“型”です。

各項目の詳しい流れについては別記事で解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

✔ 表書きとは?

SOAPの上に置かれる「薬歴の見出し」にあたる部分です。
「患者特記」という呼び方をすることもありますが、個別指導では「表書き」と呼ばれることが多いため、この記事でもそれに合わせて記載します。

簡潔に言うと、患者の記録における注目ポイントをひとことで表すのが表書きです。

たとえば:

  • 「既往歴:心不全(入院歴1回)」
  • 「有害事象:ニフェジピンで低血圧あり。減量にて改善」
  • 「薬剤管理は介護者が実施しており、来局も介護者」
  • 「杖歩行あり。転倒リスクに注意が必要」
  • 「仕事が忙しく、昼食は抜くことが多い」

上記のように、治療歴だけでなく、患者さんの生活背景が記載されているかも個別指導ではチェックされます。
治療歴」+「生活背景」の組み合わせから、その人に合った服薬指導ができているかが見られるということです。

このシリーズで学べること(記事リンク案内)

この「薬歴の書き方シリーズ」では、以下の3本立てで、薬歴力を段階的にアップさせていきます。

▶【表書きの極意】薬歴の全容を“見える化”する技術

→ 表書きって何?どう書く?伝わる・伝わらないの差は?
NG例・改善例も含めて、すぐに現場で使えるヒントをまとめます。

▶【SOAP記載の徹底解説】薬剤師の思考を記録する4ステップ

→ S・O・A・Pそれぞれを丁寧に、実例付きで解説。
「Aが書けない…」「P(Plan)って毎回“次回来局時確認”でいいの?」という悩みもスッキリ整理します。

▶【薬歴のNG例と改善例】“伝わる薬歴”と“惜しい薬歴”の違いとは

→ 表書き・SOAPのよくある失敗例と改善の考え方を紹介。
実習や個別指導でも評価される、具体性のある薬歴記述を学べます。

まずは「薬歴って何のためにあるの?」から復習したい方へ

「構成の話の前に、そもそも薬歴ってなんだっけ?」という方には、こちらの記事がおすすめです👇

「薬歴が書けない…」と悩むあなたへ。止まる理由と“書けるようになる”視点の変え方

薬歴を書く意味がわかると、構成の理解もスムーズになります。まだの方はこちらから学習してみてください。

まとめ:書けるようになるためには、“考えて整理する型”を学ぶことから

薬歴は、単なる記録ではありません。
患者さんの状態と向き合い、自分の考えを言語化して残す“プロの証”です。

とはいえ、最初から完璧な薬歴を書こうとすると手が止まってしまうのも事実。
だからこそ、型=SOAPと表書きを使って、考える → 書くの流れを整えていきましょう。

このシリーズを通して、あなたの薬歴が「伝わる記録」へと進化することを願っています。

🔗 次はこちらからどうぞ:

  • ▶ 表書きから知りたい方へ:【表書きの極意】薬歴の全容を“見える化”する技術
  • ▶ SOAPから整理したい方へ:【SOAP記載の徹底解説】薬剤師の思考を記録する4ステップ
  • ▶ NG例を見て学びたい方へ:【薬歴のNG例と改善例】“伝わる薬歴”と“惜しい薬歴”の違いとは

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記事を書いた人
おはな
おはな
現場の“モヤっと”を言語化する人
薬剤師歴9年。調剤薬局や派遣先で多様な患者さんと向き合ってきました。 また、薬歴記載に関する社内活動も経験しています。 「薬歴が書けない」「時間がない」「成長実感がない」—— そんな現場の“モヤモヤ”を放置せず、向き合い、言葉にし、工夫してきた経験をこのブログでシェアしています。 テーマは、薬歴記載の視点、業務効率化、そして現場で役立つビジネスの知恵。 私自身が「現場経験」「個別指導」「資格取得」「講師活動」を通じて得た学びをもとに、 あなたの毎日に、ひとつでも“使える視点”を届けられたら嬉しいです。
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